先日、スマートマスターの認定証が手元に届いた。
スマートマスターとは今年から始まった資格制度で、エネルギー効率を高め、IoTによるスマート家電などに対応したスマートハウスのプロフェッショナルとして、スマートハウスの構築支援を行う目的で認定される。
この度、第1期生として1,603名の一人として無事に合格することができた。
今回スマートマスターを受験しての率直な印象は、出題範囲が広いということである。
スマートハウスの中核であるHEMSをはじめとして、エネルギーやリフォーム、住宅設備から関連する法規に加え、スマート家電やネットワーク、スマホ・タブレットやロボット、CSに至るまで、建築や電気、ICTの各分野に精通しておかなければならない。
これが基本となるテキストで、400ページ超である。
これでも、セキュリティやIoT、AIがあまり含まれておらず、今後範囲に含める必要があると考えている。
実際にスマートハウスを構築するとなると、これまでの家の建築技術のみならず、ICTやネットワーク、家電、セキュリティなどの技術を融合することが必要であり、各分野の技術者が協力しあうことが必要になる。
そして、消費者を含めた全体をコーディネートして、チームとしてまとめていくのがスマートマスターの役割とも言える。
範囲にCSが含まれているということも、そのようなことが考慮されていると考えられる。顧客のニーズも多様化、複雑化するために、的確にニーズを捉えて実現させていくには、各分野の知識を持ち、バランスよく連携させるスキルが必要となるためである。
また他にも考慮すべきことがある。それはライフスタイルである。
スマホやタブレットは当たり前になったとして、オンラインでいつでも誰とでも顔を見ながらコミュニケーションをとったり、ロボットもペット含めて一家に一台の時代も来るだろう。家のあらゆる場所がディスプレイとなり様々な情報が映し出されたり、ARやVRで様々な体験もできる。
もっと先には、スマホやタブレットもなくなり、インターフェースそのものが大きく変わる。
このあたりは、私などよりも弊社近藤のブログに詳しいので参照いただきたい。
このようなことを考えると、今回のスマートマスターに要求される範囲はまだまだ狭いとも言え、時代の移り変わりをよく見ながら、何が必要とされるのかを自分で追いかけ続けないといけない。これは何も、スマートマスターに限ったことではないが。
人間にとって、本当に住みやすい環境とはどのようなものなのか、ということを追求して、実現させていきたい。アナログとデジタルのバランスを取りながら。
~書籍の紹介~
「ワンピース思考の仲間が、木の家を建てる! !」 加納 文弘(著)
『木の家』で有名なサイエンスホーム社の加納社長の著書である。
木の家へのこだわりが伝わり、また、高品質で低価格の家をいかに実現させているのかを知ると、自分の仕事にも活用できることが多く、刺激になる。
また、木の家に住む姿をつい想像してしまい、ページが進んでいく。
このような家に、うまくICTを使ってスマート化するにはどうすればよいのか。しばらく考えこんでしまいそうである。
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