ブランドと一言でいっても、非常に曖昧で、広い意味を持つ言葉だと思うが、私は単純な理解として、こう考えている。
企業が顧客に約束をする。
そして、その約束に対して企業が応えること。
日々、アジアで活動していると、日本のブランド力の強さを意識させられる場面に出くわす。
日本にいても、日本自身のブランド価値を意識することはあまり無い。
もちろん、ブランドという言葉は日頃慣れ親しんでいる。
例えば、商品レベルでは、ブランド力=信用できるという意識で有名どころの電化製品を購入したり、高級ホテルを利用して満足感を得ている。
また、海外ブランドという意味では、女性は特にブランド志向が強い。
外から日本を眺めると、日本の良さを改めて実感することも多い。
もっとも、その逆も多いのだが、今回は、良い面を中心に話を進める。
その一つが、日本自体が有するブランド力だ。
アジアの各国には、日本の商品を信頼をしている人が実に多い。
詳しくは、別の機会に譲るが、これは、既に幾つかの統計データでも証明されている。
実際、上海でも香港でもシンガポールでも、誰に聞いても日本の商品に対する信頼度の高さがうかがえる。
これは、新興国のベトナム、カンボジアなどでも変わらない。
一部では周知の事実だが、中古品でもブランド価値は高い。
あるアジアの国の新品より、日本の中古品が好まれる。
値段が高くてもである。
日本でもようやく中古品マーケットが一大産業として認知されつつあり(ちなみに、当社も創業時は、子供服のリサイクルから事業をスタートした)
アジアでもこれからは中古品マーケットは超有望だろう。
当社では、昨年から、ジャパンスタイルという統一ブランドの構築を進めている。
簡単に説明すると、商品や製品そのものは言うまでもなく、日本人が関与する商売、ものづくり、サービス、教育、組織運営などのノウハウなども含めて、日本が誇るブランドとして確立していこうと言う当社の戦略の一つである。
こんな商売が実際にある。
それは、日本人が手がける、マネジメントする商売のブランドだ。
商品は必ずしも、日本製とは限らない。
スリッパかもしれないし、ウィスキーかもしれない。
実際、私の知人は、韓国から仕入れたウイスキーをブランド化して、ベトナムでの販売を始めた。
カンボジアの知人は、ミャンマーからスリッパを輸入して、カンボジアの人たちに販売している。
もう一人、カンボジアで胡椒を作り、アジアや日本に販売している社長もいる。
また、現地生産の農産物も海産物もそういう可能性を秘めている。
私たちの先輩が汗水流して築き上げてきた日本ブランドにあぐらをかいてはいけない。
日本が自信をもってアジアに伝承できることだと思うし、この強みを生かすべきだ。
日本が知らず知らずのうちに世界やアジアの人々に約束してきた日本のブランド。
これをアピールするために、中小企業こそ、サービスを望んでいるアジアの消費者に対してもっと積極的に商品を販売する、サービスを提供するなどしてブランド力を活かした商売を展開してほしい。
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