しかし、実際は、世界のゴルフの総人口は5000万人前後だとか。
特に日本と米国で盛んなようだ。
この10年で、ゴルフ熱は日本の近隣諸国にも及んでおり、韓国は一大ブームになって久しい。
経済発展の著しい中国でもゴルフ人口が増えつつある。
当社は、ベトナムにアジアビジネスの本拠を構える。
視察ミッションなどで、ホーチミンにお越しいただける方がひっきりなしである。
感覚的に三人に二人の方が、ゴルフを堪能される。
当社とお付き合いがあるのが、比較的ビジネスのベテランの方が多いこともあり、ベトナム初訪問と同時にゴルフもプレイしてみようとなることも多い。
(もっとも、こちらも積極的に御案内しているという事もあるが…。)
意外なことに、ゴルフ通の方でも、ベトナムで普通にゴルフができると知って驚かれる。
今回は、そんなベトナムのゴルフ事情を少し詳しくお伝えしようと思う。
ゴルフの普及の様子からもビジネスの可能性を垣間見る事も出来る。
まず、お見せしたいのが、2つのゴルフ場の全景写真である。
私は、カメラマンではないが、これは自信作である。
これは、タンソンニャット国際空港へ着陸前10分前ぐらいに撮影したものだが、正真正銘の上空からのゴルフ場の写真である。
市中から車で45分以内のところに、メジャーなゴルフ場が3つ(建設中、計画中のものは他にもあるが)あり、たまたま、この二つのコースは、飛行ルートのほぼ真下に位置している。
実際、これらのゴルフ場でプレイしていると上空を飛行機が着陸態勢で降下する様がよくわかる。
キャデイは私のような凄まじいテンプラボールを見ると、“ベトナムエアライン”とふざけて笑う。
さて、実際のゴルフの様子を紹介したいと思う。
ベトナムは、東南アジアの中では、ゴルフのメッカとして有名だが、サービススタイルは、タイとほぼ同じ。
今の日本のように、節約や気軽さを求めてキャディがいないということはない。
プレイヤー一人にキャディが一人ずつつくのが原則である。
女性キャデイを期待するおじさんプレイヤーも多いが、半分は男性キャデイである。
女性キャディをわざわざ指名する達人もたまにはいるが、普通の人は、割り当てどおりだ。
大抵、ゴルフ会話程度の英語を話す。
たまに、日本語に熱心なキャディもいて、それはそれで面白い。
マナーは年々、向上はしているが、日本のレベルと比べると、他のサービスと同じように総じて低い。
教育が行き届いていないキャディに当たると、ゴルフの調子が良いときは、気にはならないが、不調のときは単純に腹が立つ。
一方、経営者側はサービス向上に取り組んでいる様子で、ある程度の評価の仕組みはできている。
最後にキャディの評価カードを投票することになっている。
うわさでは、評価が悪いとクビになるとか…。
いい加減なキャディは、自分がpoorの評価をされていると察知すると評価カードを私たちに渡さない者もいる。
書き出したらきりが無いが、人のクラブで勝手に素振りする者や、プレイが遅いと寝っころがるひどい者もいる…。
本当に、教育がなっていない。
とは言え、ゴルフのルールやパターの読みは勉強している様子。
パットの読みもある程度は的確だ。
さらに、10年を超えるベテランのラインの読みは、完璧である。
また、ある程度自分の腕にも自身がある男性キャデイは教え魔が多い。
初心者を見つけると徹底指導が始まる。
そんな時、ターゲットにされたプレイヤーは、たまったものでない。
言うまでも無く、スイングは、バラバラ、ガタガタになる。
また、カミナリに対しては、恐ろしいぐらい寛容だ。
この前も、日本だったらどう見ても中止になるであろう激しい雷雨の中で、怖くなり、大丈夫かとたずねてみた。
すると驚くことに、“今まで、誰も死んでいないから大丈夫”と、キャディが笑いながら言うではないか。
仕方ないので、妙に開き直ったのを思い出す。
プレーヤーとして忘れてはいけないことがある。
マナーというよりも、サービス料の支払いとして、チップを渡さないといけないことだ。
私は、原則、最後にチップを渡すことにしている。
ベトナムをあまり知らない頃は、最初に渡していたが、ある人から、それをすると真面目に仕事しないよ。と教えられ、よくよく考えてみると、確かに思いあたる節は多々あった。
いくらひどいキャディでも、チップはキャデイの収入源なので、渡さないのはNGである。
ざっと紹介するとこんな感じである。
全般的に、日本ほどの満足感は得られない。
しかし、ゴルフコース自体は、それなりに洗練されていて面白い。
一部洗練されつつあるタイと比べて少しがっかりする人もいる。
ベトナムでは、ゴルフは超高級スポーツである。
一流の方にたずねると、大抵はテニスでリフレッシュタイムを過ごすそうだ。
そういう意味では、現地のベトナムの方々にとっては、まだまだ贅沢なスポーツといった感じである。
実際、堂々と平日からビジネスゴルフと言って、ゴルフ場に出かける経営者は少ない。
意外とベトナム人の経営者の多くは、世間体のようなことを気にしていて、社員に対しても説明できないと言われている。
だが、どの国も基本は一緒だろう。
ビジネスと酒の場が切り離せないように、ベトナムでも間違いなく、ビジネスとゴルフの距離が縮まりつつあることは間違いない。
こんな風に考えながら、ゴルフを楽しむと、日本では全く体験できない、不思議な思いの中で、ナイスショット。
こんな感じで、ゴルフもアジアを知る意味でお薦めしたい活動の一つである。
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