このブログの中で何度も触れてきた。
アジアの多くの経営者が、日本のサービスレベルを実現し、
その方法を学びたいという。
一方で日本人は、アジアの人々にサービスを教えることには、
大多数が、あきらめモードだ。
少数派の方々は、根気よくアジアに日本並みのサービスを定着
させようと努力している。
私も、実現可能だと確信している1人である。
すぐにとは言わないが、いずれ、日本のサービスレベルに達した
アジアの人々が経営するお店やレストラン、ホテルなどが
数多く出現するだろうと思っている。
先日、知人でハノイゴルフの創設者の室賀氏とハノイでお会いした。
室賀氏に招かれてゴルフ場体験も兼ねて訪れたのだが、
その感想は、噂どおり「凄い」の一言であった。
最近、ゴルフ人口が増加し、
ゴルフ場も全国で約30ヵ所ぐらいに増えてきた。
ハノイゴルフは、ベトナムでは初めての日本人経営者が
運営するゴルフ場である。
私も趣味と実益を兼ねて、ゴルフをする機会は多い。
ベトナムでも幾つかのゴルフ場でプレーをしてきた。
ゴルフ場そのものは、日本のゴルフ場にそれほど遜色ないし、
むしろ、ハーフ後の昼食休憩が無い世界標準のスタイルは、
本当のゴルフらしさを満喫できる。
暑いのが嫌いな方にとっては酷だが、
私のような炎天下が大好き人間には、
ベトナムでのゴルフは格別である。
しかし、何年たっても辟易することがある。
ベトナム全体のお店や受付のサービスレベルはまだまだなので、
この部分に関しては、今さら特に不満には感じない。
しかし、ゴルフは紳士のスポーツといわれているように、
マナーを重視するスポーツでもある。
にもかかわらず、相変わらずキャディのマナーは悪く、
目の肥えた日本人が失望してしまう。
これは何故だろうか?
ハノイゴルフを訪れ、自分の答えに迷いがなくなった。
要は、教育を実施しているかどうかの差なのだ。
もちろん、その前提として、経営者やマネージャーが
サービスや働くことの教育の重要性に
気づいていなければ話にならないが。
顧客サービスの向上が、自分の会社の利益の増大に繋がることを
本質的に理解できていなければどうしようもない。
しかし、それ以上に実行することの方が、その100倍大切だ。
マネージャー不足のベトナムの現状において、
ハイレベルなサービスを根気よく教育し続けることは極めて難しい。
こういった背景も含め、
室賀さんの実施してこられた社員教育には感服する。
室賀氏は言われる。
「徹底と根気ですよ。継続しないとダメなんです。
彼らベトナム人は、理解して実行することはできる。
しかし、毎日、マネージャーなどが
言い続けないと元に戻るんですよ
悪気があるわけでなく、まだ、子供なんです」と。
実は、これと同じような話は、ベトナムではよく聞く。
あるレストランの経営者は、「10歳ぐらい実年齢を引いて考えると、
ストレスも減るし、根気も続くんです」と。
彼は、日本でもニューヨークでも飲食店を経営してきた方だけに
説得力はある。
日本と違い、子供のころからの躾ができていない人が多いなか、
アジアで日本同様のサービスを根付かせるには、
日本人の根気にかかっているのは間違いない。
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