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一過性のブームに終わらせない「ベトナムビジネス元年」への取り組み

今年は、ベトナムと日本の国交樹立40周年の
記念するべき一年であった。
日本国内ではあまり目立ってはいなかったが、
ベトナムでは、予想以上の盛り上がりを見せていた。
ベトナムは伸び盛りの国という印象が日本では強いが、
実は、リーマンショック後、ベトナム経済は絶不調なのだ。
友人のベトナム人経営者達は、口を揃えて、
「今は不況のどん底」だと漏らす。
皆、あと少しの我慢だと耐えている時期である。
実際、金融機関が不良債権問題で苦しむなどの
さまざまな悪材料の中、経営環境は悪化している。
中小企業の倒産も後を絶たない。
ホーチミンなどの賑やかな街中を少し歩くだけでは
わからない部分も多い。日本や他の先進国も幾度となく今のベトナムと同じように
景気の山や谷を経験する一方、長いスパンで見たら
右肩上がりの経済発展を持続させてきた。
ベトナムのような新興国がこの先どうなるかは
私は率直に未知数だと思っている。
そんな数年間であったが、今年の後半は
特にベトナムの経営者達の会話が
変わってきたことをヒシヒシと痛感している。

「来年はまだ我慢の時が続くかもしれない。
しかし、再来年からは右肩上がりとなるはずだ」

様々な経済の先行指標に先行き不透明な要素があったとしても、
経営者の生の声は心強い。
自分自身も経営者の末席に身を置いているが、
経営者のマインドの影響力は相当強い。
そして、彼らには根拠もある。
業界問わず、再来年からは間違いなくよくなると実感できるのが
今のベトナムビジネスだ。
今年の40周年はそういう意味でも
単なる記念すべき年ではなく、
経済が好転するという経営者の期待感と強い意志と相まって、
年末が近づくにつれ、ベトナム人経営者の本気度が
ヒートアップするのを感じている今日この頃である。

当社の活動も、数年前からアジアブリッジサービスの一環で、
経営者セミナー、交流会、ゴルフ、テニスなどの
スポーツ懇親会も現地で開催してきた。
今年は特に、年初から「ジャパンスタイルフェア」を皮切りに、
親睦ゴルフ、日本とベトナムの相互ビジネス視察、
セミナー開催なども行った。
中でも11月には「40周年アニバーサリィウィーク」
と銘打って独自活動を展開した。
ゴルフイベント、アジアビジネス交流会、
ジャパンスタイルフェアと4日間連続で開催。

 

特に、アジアビジネス交流会では
ベトナム人経営者は100人以上が参加。
出席した日本人も皆がその本気度と熱気とパワーに驚いていた。
この1年、交友を深めてきた
ベトナム南部の有力都市カントーからも
商工会議所(VCCI)のトップ筆頭に、
現地の経営者が多く参加していただいた。
私も冒頭にスピーチしたが、いつもにも増して
聞いている方々の本気度を実感することができた。
皆さん、真剣に日本のことを知りたい、
日本人とビジネスしたいと考えている。
強い意志や想いがその表情から見てとれた。
私に続き、友人のベトナム人・ドックさん、
ミンさんもスピーチ。
最後にはVCCIの会頭からのスピーチも。
開催後、具体的かつ新鮮な内容で素晴らしかったという
参加者の声を沢山いただいた。

 

実は、これらのイベントの前週に行われた
メディアを招聘しての記者会見でも、
私は、ベトナムの変化と本気度を感じとっていた。
ひとりのベテラン女性記者の質問が特に印象的だった。
彼女は、欧米としか関わってこなかったので、
日本のことに関心がなかった。
今日来て驚いた、と言う。
そして、こう漏らした。

「日本のことを私たちは何も知らなかった。
そもそも、日本はすでに韓国と同じように
ベトナム国内で活躍していると思っていた」

 

日本が本気になっても、
ベトナム人がもっと日本のことを知る、
理解する、そして連携して進めないと、
本当にもったいないと感じる。

「誰かがやらねば」という心境ではないが、
十数年間、ベトナムの変化を見てきたが、
今が旬であることは間違いない。
日本も本気になりつつあり、
ベトナムもそれに気づき始めた。
だが、ベトナム自身がふと我に返ってみると、
日本のことは何も知らない。
こんな状態だと思う。
私はアジアビジネス交流会でのスピーチで
「ラブラブベトナムキャンペーン」を強調した。
簡単に言うと、相思相愛の越日ビジネスを目指すこと。
サイズが合う、フィーリングがあう。
私のプレゼン資料を見たら
間違いなく納得していただけると思う。
国の形までそっくりなのだ。

2014年の新年が近づく中で、
来年以降のワクワク感は募るばかりだ。
この勢いをますます大きくするためのアクションを
連続的かつ積極的に行う計画を進めている。
4月上旬には、東京、北海道(札幌、小樽)で
アジアビジネス交流会、さらにビジネス視察、懇親ゴルフ、
温泉視察等々盛りだくさんで予定していく。
続いての、5月後半には、再びベトナムで
一連の交流を広げていく予定。
そして、来年前半には、
越日ビジネス経営者クラブも発足する考えだ。
40周年を単なるイベントで終わらせるのではなく、
将来振り返ってみて、あの年が親密な越日関係樹立の
きっかけの年になったと言えるように、
活動を続けていく決意を新たに、
今年のブログを締めたいと思う。

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