今回は直前だったこともあり、格安航空の
Vietjet Air(ベトジェットエアー)を手配。
アジアでの飛行機には慣れているので少しのんきに構えていたら、
空港に着いてから予想外のアクシデントの連続・・・。
チェックインでまずは大混乱に遭遇。
日曜日の午後なので長い待ち行列は致し方ないとしても・・・。
混乱の原因がちょっといただけない。
待ち行列をほったらかしにして、
係員たちが、出発時刻が迫っているフライトの
お客さんを次から次へと呼び出し続けているのだ。
当然のごとく悪循環に陥り、
連鎖的に混乱とロスが生じているのが明らかだ。
日本でも搭乗間際のお客さんを呼び出すことはなくはないが、
極めてまれなことだ。
若い女性スタッフが、一見テキパキさばいているように見えるが、
どうみても、行き当たりばったりの様子。
右往左往しながら指示を出す。
そこへ割り込みのお客さんも混ざり出す。
私も含めて待つほうはイライラも募る。
まあベトナムだし、格安航空だし・・・とあきらめモードで
しばし我慢することにした。待つこと1時間近く、とりあえず何とかチェックインは完了。
しかし、案の定、フライト時刻が定刻から大幅に遅れている。
今度は待合席で待機することに。
しかし、フライトの遅延を知らせるアナウンスすらない。
まわりを見渡すとほとんどがベトナム人のお客さんで
特段不満顔でもない。
慣れなんだろうな・・・それともあきらめなのか?
これだけ大幅に遅れているのになぜ?
確かに、格安航空よりかは、グレードは上である
ベトナム航空ですら今でもさほどサービスが良いとはいえない。
それに比べると相対的には我慢できる範囲なんだろうか。
それとも、格安航空に乗るベトナム人のお客さんは、
料金が割高のベトナム航空には乗らないかもしれない。
ここしか知らないとしたら・・・これが当たり前の世界なのか?
そんなことに思いを巡らせながら、
十数年前のベトナム航空の国際線サービスの酷さを思い出した。
直行の日本への帰国便は夜中発しかなかった時代だ。
疲労のピークになる出張最終日、
ようやく日本へ帰れると空港について
ホッと一息・・・と思っていると、空港に着いてからが大変。
1~2時間の遅延は日常茶飯事。
時には12時間遅れることもあった。
一旦ホテルに戻ることもあった。
それもまともなフォローもなく、慣れない日本人は右往左往だ。
私はその様子を見ながら、あきれ果てていたことを思い出す。
今は時も流れ、その当時と比べると
雲泥の差があるほどにすべてが改善されている。
しかし、そのベトナム航空のサービスレベルは
日本などに比べるとまだまだ改善の余地だらけだ。
日本の格安航空のサービスレベルでも
ベトナムではハイレベルくらいに位置するだろう。
やはり、まだまだ日本とベトナムのサービス力では
歴然とした差がある。
あれこれと考えているうちに、
ベトナムを愛する私としてはとても心配になってきた。
ベトナムにおける格安航空のこの状態は
いつか改善される日が来るのだろうか。
そして、どうせの待ち時間ならと、このブログを書き出した次第だ。
定刻から搭乗が遅れること約1時間、
ようやく移動バスに乗り込み、なんとか無事フライトと思いきや、
今度は、バスが駐機中の飛行機の目前で
10分ほど待機するではないか。
初体験のことに、今度は何事かと思っていると、
しばらくして、前便のキャビンアテンダントが
荷物をもって降りてきた。
「おいおい、先に降ろしてから、
その後でバスを着けろよ。何でここで待たせるの?」
日本人の私はクレームのひとつも言いたくなる。
ベトナム慣れしてくると、少々のサービスの悪さに
いら立つこともなくなっているが。
これはそんな私でも
「おいおい・・・」と思わざるを得ないひとコマだ。
結局、1時間20分の遅れでハノイに到着。
この予想外の体験はベトナムについて
改めて考える良い機会になった。
きっと、日本人のプロが改善指導すれば時間はかかるが
間違いなく軌道修正は進むだろう。
それだけ酷いし、原因は明らか。
数珠つなぎで顧客のチェックインが遅れていくのだから、
定刻にフライトするなんてとても無理がある。
今日の混乱は、日曜日の混雑の時間帯だからというのもあるが、
改めて日本のサービスレベルは高いと実感することができる。
日本の5Sを実践するだけでも随分と変わるだろう。
ベトナムに愛着がある今となっては、
余計なお世話かもしれないが、
日本人がやってあげなければと思ってしまうのである。
数年前に韓国人とベトナム人の友人から言われた一言を思い出す。
「TIV」と「売り様」である。
数年前、弊社が「ジャパンスタイルショップ」を
ショッピングモール内にオープンした時のことだ。
開店直前まで、これでもかというぐらい
施設側でトラブルが連発した。
とても信じられないようなトラブルが立て続けに起こり、
「さすがに関係者一同参りました」
とオープニングの挨拶で冗談を交えた時、
韓国人の友人にこう言われた。
「長年、ベトナムにいて『TIV』を知らないのか?
This is Vietnamだ」
ベトナム人の友人にもこの時、言われたことがある。
「お客様ではなく、売り様の国です、ベトナムは」
つまり、お客様が我慢しないといけないというのだ。
これから先、ベトナムのサービスが向上する大きなのきっかけは、
やはり、“お客様”が目覚めることが必要だろう。
日本などの先進国とのサービスで比較できるようになってくると、
当然、お客様はサービスの良い方を選択するはずだ。
最近少しずつ、日本に来るベトナム人が増えている。
このようなベトナム人たちの改善の声に期待して、
それに日本人が応えていく。
いよいよ、日本の出番と実感する。
—–