31日にかけての3日間、「ダナン越日文化交流フェスティバル」が開催された。
そのフェスティバルの最終日には弊社主催の「ビューティーコンテスト」が
盛大に催された。
弊社はダナン市の関西地域ジャパンデスクを引き受けている。
さらに、去る5月25日にはダナン市において「第50回アジアビジネスカンファレンス」を
開催した。
今回もそのような関係の中で最終日のトリとして「ビューティーコンテスト」が企画された。 コンテストの様子を紹介しよう。
ダナン市在住の応募者の中から最終選考に残った9人が、
持ち時間5分の中で、自己PRや踊りや歌などを披露する。
ベトナム人独特のパフォーマンスで会場は若者中心に熱気に包まれた。
日本のことがひとりでも好きになってもらえたらと思うと
やり甲斐も出てくるというもの。
私も審査員のひとりとして厳正に3人の表彰者を選考した。
1位、2位の彼女たちは、ベトナムと日本を繋ぐ観光大使として、
日本を巡る旅を予定している。今回は、紅葉の京都巡りが有力だ。
弊社はジャパンスタイルというコンセプトで、日本のベトナムでの
存在感を高める活動を10年前から行ってきた。
弊社がベトナムに進出した約20年前は、日本の存在感は隣国の
韓国などに比べるとほぼ「無い」に等しかった。
一般のベトナム人が知っている日本といえば、「ホンダ・カワサキ・カラオケ」。
あとは「サムライ・ニンジャ・フジヤマ」だ。
笑い話になるネタでもある。
中でも一番印象に残っているのが「アジノモト」である。
ベトナムに訪れたばかりの頃、道端でバインミー(ベトナムのサンドイッチ)を
売っているおじさんに、わざと日本語で話しかけた。
即座に、満面の笑みで「アジノモト!」と言われたときのことを
今でも鮮明に覚えている。
ベトナムで日本の企業がビジネスを円滑に進めるためには何が足りないのか。
ずっと考えてきた。
大企業なら大きな予算を使って、メディアに広告を出し、
大々的にファン創りも可能だろう。
しかし、弊社が支援する中小企業はそうはいかない。
先週の金曜日、高島屋がようやくホーチミンにオープンした。
もう数年前から出店の噂があったのでようやくという感だが、
日本のプレゼンスが高まることは間違いない。
とはいえ、若者はせいぜい、ウィンドウショッピングしかできないだろう。
いわゆる百貨店であるから、富裕層しか買い物ができない。
ここでも若者は置き去りである。
若者や子供のファンを増やさないと将来性は乏しくなる。
弊社は進出当初からベトナム人顧客相手に商売するためには、
日本のファンを増やすことが最も大切なことを実感してきた。
そこからベトナム語マガジンの発刊、日本のドラマの放映、
越日合作映画づくりへの参画などにまい進してきた。
そして、『ジャパンスタイルショップ』の運営、日本のことを伝える
イベントの数々を仕掛けてきた。
今では日本のファン創りに少しでも貢献できているという手ごたえもあるが、
日本企業の進出ラッシュと重ねて考えた時、今までのように少し
チャレンジングな企業が点でやってきた日本のファン創りの活動は大きな変革期に
来ていると思う。
そろそろ、オ-ルジャパンの取り組みに変わらないといけない時期だと
痛感する。最近ではビザの緩和などもあり、日本に観光やビジネスで訪れる
ベトナム人も増えてきた。
しかし、技能実習生や留学生などを除くと、今、日本に行けるベトナム人は
限られている。
年々増加傾向であることは嬉しいことではあるが、
もっと、加速度的に日本のファンを増やすべき時期が来ていると感じる。
昨年、11月にカントーで開催したビューティーコンテストでの優勝・準優勝に
輝いた2人の女性は、今年の4月に東京→山梨→新潟→富山と駆け巡った。
特に、新潟や富山では初めて訪れたベトナム人観光大使にとても温かい歓迎とともに、
さまざまなおもてなしをいただいた。
彼女たちも都市部だけではなく、日本の地方の良さを実感して、
今も日本の良さや感動をベトナムに伝播してもらっている。
今回のダナンに続き、今年の11月にはカントーで
2回目の越日文化経済交流フェスティバルを行う。
これからもビューテイーコンテストは定番化する計画だが、日本が高度経済成長期の
最中にそうだったように、若者はさまざまな分野でスターに憧れる。
そのスターを見て、自分もそうなりたいと切磋琢磨する。
好循環が生まれ、国にも活気が出る。
ベトナムでもそろそろ、数多くのスターが生まれるような機会創出が
日本にも期待されていると実感する。
女性でないといけないことはない。
例えば、プロゴルファーや映画スターでもよい。
弊社が始めたビューティーコンテストは些細なきっかけに過ぎないが、
さまざまな繋がりが広がっていく。
ベトナムの若者にとって、日本は高品質な商品やサービスを提供する国だけでなく、
多くの点でファンになってもらえれば嬉しい限りである。
ベトナムからスター誕生、ベトナム進出時の仲間と飲みながら語っていたことが
現実になりつつある。
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