2008年12月3日、
第1回アジアビジネス交流会を東京で開催したときの
世間の反応は今でも忘れることができない。
多くの参加者が「???」という反応だった。
登壇し、壇上から聴衆を眺めるとよくわかる。
交流会の場で、ある人は「アジアなんてまだまだ」と言い、
ある経営者は「儲からないでしょう」と冷めた意見をぶつけてきた。
珍しいもの見たさで足を運んでいただいた方々も多かっただろう。
世間はまさにリーマンショックの混迷の只中だった。
こんなときに「アジアにこそチャンスあり!」と叫ぶ私たちを
訝しげな目で見つめていたに違いない。私たちが拠点を置くベトナムも当時の注目度は低い。
2007年にはベトナムブームが起こったが、
これは一過性のものに終わった。
やはり本命は中国であり、インドであり、シンガポールという時代。
東南アジア、それもベトナムを語り続ける姿は客観的に見ても、
不思議な光景だっただろう。
あれから6年しか経っていない。
私自身は不思議な感覚にとらわれる。
それこそ、四半世紀以上の時が経過したかの如く、
時代が移り行く姿を6年という短い期間で見ることができた。
今や、アジアビジネスがニュースの話題にのぼらない日がない。
ベトナムだけでなく、あのミャンマーにさえ日本企業が
押し寄せている。
そして、大きなうねりとなる東南アジアマーケットへのシフトが
決定的となった。
このアジアビジネスの世界に隔世の感を禁じ得ない。
しかし、だからこそ“素晴らしきアジアビジネスの世界”とも言える。
この仕事をしていなければ、決して経験できなかっただろうビジネスの
潮流が大きく変わる瞬間に立ち会えた。
大きな流れとなって押し寄せる波を岸壁に立って眺めることができた。
いや、眺めるだけではない。
岸壁から飛び降り、流れに身を任せてみる貴重な経験もできた。
行き着いた先は、まさに2008年の冬ばれの日に叫び続けた
東南アジアだった。
ようやく日本人と日本企業も気づき始めた。
今月はそんな東南アジアへの潮流を感じることのできる
大規模イベントをベトナムで開催する予定だ。
「第43回アジアビジネスカンファレンス(10月14日)」(ハノイ)
「第44回アジアビジネスカンファレンス(10月15日)」(ホーチミン)
ベトナム人経営者が100名以上集まるビジネス交流会を
ハノイ、ホーチミンの2都市で開催する。講師陣も多彩だ。
ハノイとホーチミンの両会場において、在日ベトナム人経営者協会の
ハイ会長が、日越ビジネスの現状を克明にレポートする。
また、日本人としてホーチミン会場で登壇いただくのが、
プロファームジャパンの経営コンサルタントである富井達彦氏。
日本企業のコンサルティング経験だけでなく、
東南アジアでのセミナー登壇も60回を超える。
ベトナム現地で活動している時間が長い私は、
「熱気溢れるマーケット」に身を置く時間も長い。
自然とこれからのビジネスの期待感で胸が躍りだす。
日本ではなかなか味わえない経験だ。
ぜひ、皆さんにもこの経験を味わってもらいたい。
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