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クールジャパンはシニアも主役になるべし

クールジャパンとは日本の文化やライフスタイルの魅力を
付加価値に変え、『日本の魅力』を海外に発信する事業展開
のことである。経済産業省が音頭をとり、民間ビジネスと
のつなぎ役としてさまざまな事業やプロジェクトを稼動させている。このクールジャパンは、従来は欧米などに向けての情報発信が
多かったが、最近は東南アジアに向けてのものが多くなってきた。
日本の存在感の薄い東南アジアでこそ、こういう活動や取り組みは
効果的なはずだ。日本のファンが増えなければ、日本企業の商売は潤
わない。ベトナムなどは親日国ではあるが、韓国などと比べると
日本の存在感はないに等しい。例えば、ベトナム人が沖縄に観光にいく人数よりも、その先の
韓国の済州島にいく人間の数が圧倒的に多い。理由は簡単だ。
済州島をテーマにしたドラマや映画などがベトナム国内で
計画的に放映されているからだ。
日本発の『花(はな)より男子(だんご) 』という
ドラマの話を聞いたら笑ってしまった。ベトナム人に聞いたら
「韓国版を日本が真似したのでしょ」と言われた。
実は韓国版が韓国で放映された後、ベトナム語に翻訳されベトナムで放映。
それが大人気という結果に。韓国は国策で海外へのコンテンツ戦略を
推進していることは有名である。それと比して日本は何もしていない
に等しい。そんな状況の中でクールジャパンに起死回生を期待する
声も大きい。とはいえ、クールジャパンは常にメディアでも賛否両論である。
税金の無駄遣いと揶揄する人もいる。韓国は相思相愛の関係を
つくるため、長い時間をかけてアジア各国でラブコールを送り続けてきた。
このラブコールはドラマ、映画、広告などの情報発信全般である。
クールジャパンも突き詰めると、このやり方を倣うということになろう。
みずからPRすることの大切さを、これからの日本はもっと知るべきなのだ。このクールジャパンが日本の最大の課題のひとつである地域再生、
地方の活性化と相まって、地方と海外をつなぐという動きも
昨年ぐらいからはじまった。
このことについてはおおいに賛成である。
地方活性化、インバウンド、匠の技、職人、伝統工芸、日本の文化、
日本の祭りなどなど。実はどれもシニアが主役である。
クールジャパンというとアニメやコスプレに代表されるように
若者が中心と思われがちだ。そうではない。シニアの存在
そのものがクールジャパンである。
例えば、お遍路といえば、シニアの世界のイメージだ。
「お遍路」は四国観光の重要な資源になっている。そこに、お遍路を
テーマにした『おまいりんぐ』というアニメも生まれている。
温故知新という言葉こそ、クールジャパンを進める上で日本人が
忘れてはならないことだと実感する。もっと、シニアとクールジャパンを
近づける企画を生み出していきたいものだ。

(拙著 もし波平が77歳だったら? からの抜粋です。)

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