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BRAIN NAVI6号 近藤昇コラム「時代と共に大きく変わる企業経営のインテリジェンス」

第6回 「時代と共に大きく変わる企業経営のインテリジェンス」

先日、ある打ち合わせの場で、「女子高生の1日のスマホ利用時間は平均7時間」
と聞き、驚きました。7時間といえば、1日の約3分の1を占めています。
いや、寝る時間を除くと、およそ活動する2分の1くらいをスマホ時間に
あてている計算になるのかもしれません。それとも、寝る間も惜しんでスマホを
操作しているのでしょうか。考えさせられるテーマです。

とはいえ、企業経営を見ても「女子高生・スマホ」の調査データが示す内容
と同じくらい取り巻く環境が激変していることに改めて気づきます。
私が初めて本を出版したのが2001年(「だから中小企業のIT化は失敗する」)です。
当時、私の目に映っていた光景と現代の光景はまるで異なる姿です。

パソコンを中心としたIT化がいつしか、タブレットやスマホの台頭で、
姿を変えつつあります。
それだけでなく、飛び交う情報は増加の一途を辿り、いつしか1人の人間が
一生をかけても処理できないような情報量を無理やり、選別し、ユーザーに
送り続けています。当然、それを処理する側の人間も、本当に必要な情報の
判別が困難になります。さらに、タブレット、スマホの常態化により情報を
常に最新・タイムリーに受け取ることを強要されています。
一方で、SNS、スマホアプリが企業のコミュニケーションツールと融合し、
新たなリスクも生じます。

増え続ける情報に、デバイスの進化が対応するも、肝心の人間側はその潮流に
引きずられるようにワークスタイルが変わっていくことを唯々諾々と受け入れて
いるようにも見えるのです。
それは、かつてチャップリンが名作「モダンタイムス」で、大量生産・機械化の
流れが進む資本主義社会を皮肉った様子と酷似しているように思えます。
皆が時代の激流に翻弄され、いつしか機械に弄ばれている側になっている・・・。

ならば、そんな時代に逆行するのはどうでしょうか?
私自身、その回答はノーという言葉しか持ち合わせていません。
これからの企業経営を考えると、この流れに逆らうことは、もはや自滅行為に
近いでしょう。
むしろ、勝ち残る中小企業は、この「変化」と「進化」を味方にしていくしか
ありません。私たちはこの次世代ICT(ITコミュニケーション)活用を
『オンラインビジネス』と呼び、新たな商品・サービスの開発を進めています。

この企業経営に関わるインテリジェンスは、過去と比較してもあまり意味が
ないのかもしれません。IT化は産業革命に匹敵するパラダイムシフトであり、
その前後を比較することはナンセンスです。
冒頭の女子高生の例も、私が学生だった頃のライフスタイルと比較しても
意味を成しません。現代の彼女たちの前には、すでにスマホがあり、そこに
情報が流れているのですから。
むしろ、人間として失ってはいけない力をIT側に補完していくべきです。
やはり、こんな時代でもアナログの力は失われていないことはさまざまな
シーンで実感できます。

実は8月3日に大規模な経営セミナーを開催します。
ここまでここで話をしてきた内容も含め、
これからの中小企業の経営環境、オンラインビジネス化への社内環境改革などを
私の経験を交えてお話させていただく予定です。
同時に、書籍の発刊も進めておりますので、そちらも楽しみにしてください。