引用させていただく。”ニューヨーク(CNNMoney) 米調査会社が14日、
世界の主要航空会社について定刻通りに
到着した確率を調査した結果を発表し、
日本航空が世界ランキングのトップに立ったのだ。
情報会社コンデューシブ・テクノロジーが提供するサービス
「フライトスタッツ」のまとめによると、
日航の国際線は90.95%の確率で定刻通りに到着し、
業界平均の78.31%を大きく上回った。
フライトスタッツ広報担当のデービッド・ホワイト氏は
日航の首位について、
「日本の公共交通網の効率性を反映したもの」と賞賛している。”
私も、仕事柄色んな国の航空会社を利用する。
確かに、日本の航空会社は、
定刻通りの到着が多いと実感していたが、
案の定というか、日本人としては、誇りに思う。
しかし、経営再建中の日本航空の記事だけに、思いは複雑だ。
加えて、大学時代の親友が日本航空で
現役のパイロットをしていることもあり、
人並み以上に心配にもなる。
先日も「世間は日本航空をどう見ているか?」と、
友人に聞かれたばかりだ。
この記事を見て、日本の顧客サービスについて、
改めて考えさせられた。
顧客の立場で考えると、航空会社に対して望むことは、
まずは「安全」だろう。
車より、事故率が相当低いとはいえ、
飛行機の事故に対しての恐怖感は少なからずある。
私も四六時中飛行機を利用しているが、外国へ行くと特に、
整備点検はちゃんと行っているだろうかとか、
この機体老朽化していないだろうか…など、
余計な心配ばかりしている。
その点、日本の航空会社に対しては安心感を抱いている。
顧客が次に期待することは、この記事のテーマでもある
「定刻どおりの発着」だろう。
ただし、これは、日本人や一部の先進国の人達の狭い範囲に
限定されると思っている。
例えば、ベトナムなどでは、1時間や2時間の遅れは当たり前。
さすがに、地元の人でも不満は溜まるだろうが、
それは日本人の比ではない。
国全体でサービスの遅延が当たり前なのだから、
ある程度寛容にもなり、我慢強くもなるだろう。
日本のようなサービスに慣れすぎると、
一歩、外国に出ると不満が溜まってストレスになる。
その次に挙げるとすれば「サービスの質」というところだろうか。
日本のサービスは、交通関係だけに限らず、あらゆることが一流だ。
世界に誇れることであり、逆に世界の人も尊敬の意を示している。
しかし、コスト負担に耐え切れず日本航空が
企業再生の憂き目にあっていることを
考えれば、率直には喜べない。
サービスや品質の向上は、コスト増を招く。
これはどんな商売でも同じことだ。
結局、サービスや品質の向上とコストはトレードオフの
関係にあるのかと、深刻に考えてしまう。
もっとも、日本航空の場合は、親方日の丸時代の
生ぬるい経営体質にも相当原因があるだろう。
それにしても、日本全体で考えれば、
過剰なまでの消費者の要求に応え続けてねばならず、
日本の企業経営は大変だと思う。
こんなことを考えていたら、この前の朝、
ふと、よくありがちなニュースを目にした。
”規格外の野菜販売”というニュースだが、
改めてこれらを重ねて考えると
日本は不思議な国だなとつくづく思う。
曲がったキュウリが、まっすぐなキュウリよりも30%も安いと。
食べたら、全く味も同じなのに・・。
美を追求する国民であることは、ある程度は理解はするが、
あまりに度が過ぎると警鐘も鳴らしたくなる。
日本の消費者は、いい加減、ほどほどレベルの世界水準を認識し
過剰な要求を緩めていかないと、企業は疲弊してしまうだろう。
そして、それは、自らの首を絞めることにつながる。
と、ついつい、こんな余計な心配もしてしまう今日この頃である。
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