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アジアで活動するときの最初のハードルはなに?

日増しに、『アジア熱』が高まっている。

この流れに置いてきぼりにならないように、大企業も中小企業も必死の様相を呈してきた。

私も、日本がアジアで生き残っていくために、残されたアジアビジネスのチャンスはそう多くはないと感じている。

少なくとも、世界中の国が同じことを考えている中では、かなりの出遅れ感がある。

こういうことも相まって、アジア進出熱はヒートアップするばかりだ。

もっとも、加熱しすぎるということは、必ずどこかで冷水を浴びることになるとは思うが、それでも、果敢にチャレンジせざるを得ないのが日本の現状だろう。

そんな中、アジアの現地に足を運び、チャンスの糸口を見つけようとする日本人は確実に増えていると実感する。

ベトナムひとつを見てみても、訪越者は増える一方だ。

そんな日本人にとって、最初にクリアするべき最も大切なことは何だろうか?

一言で言えば、日本人そのものが一刻も早くアジアに適応することだと思う。

老若男女問わず、世代間などで多少の違いはあるが、アジアで活躍するためには、いくつかのハードルを越えなければならないのである。

なかでもほぼ全員が最初に直面するのが、食事と水の問題だ。

異常なぐらいの衛生的な国で育った現代の日本人は不衛生に極めて弱い。

ベトナムやタイなどの東南アジアを訪れると必ずといってよいほどお腹を壊す。

旅行者が訪れるようなレストランですら怪しい。

当然、現地の飲食店や屋台などをこなすためには1回や2回の短期訪問では無理である。

実際、現地の飲食店などではご飯や料理の周りにハエがよくたかっている。

食器を洗っている様子を見ても、とてもじゃないが綺麗とは言えない。

心配しだしたらきりがないが、今の日本と比べていると見ているだけで気分が悪い。

考えてみれば、数十年前の田舎の日本の光景とよく似ているのである。

また、ベトナムは、ビールに氷を入れて飲むが、この氷がまた怪しい。

どんな水で作った氷か、疑い出したらきりが無いのである。

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とはいえ、人間の体というか、免疫力は良くできたもので、何回かして慣れてくる。

何事もなかったかのように普通になる。

丈夫さが自慢の私もベトナムに行きだした頃は、腹の調子が完全に安定するまではしばらくかかった。
まして、屋外のプールで泳ぐ私にとっては、雨水も一緒に飲んでいるようなもので、ベトナムへ行き始めた頃のある日、ホテルのプールで泳いだ後、数日、高熱が出たこともある。

それが今では、雨水の混ざった水を飲んでも、体に影響することは全くなくなった。

田舎で育っていることもあるだろうが、慣れとはすごいものだ。

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もうひとつ、私が痛い目にあったことがある。

あるフランス料理屋で、生牡蠣を食べた時だ。

生まれてこの方、生ものにあたったことがなかったのにである。

1週間、のた打ち回った。

振り返ってみると、普通の生ものでも心許ない国で、生牡蠣はさすがにまずいか。

余談だが、ベトナム人はかつての宗主国フランスの影響で生牡蠣もよく食べるのである。

東南アジアを訪れて最初に痛い目にあうと、それが理由でその国自体が嫌いにもなる。

サービスも悪いし、不潔そう。

雑然としている・・・挙げだしたら、嫌いになる要素は沢山ある。

もっと言えば、そういう話を伝え聞いた都会育ち派などは、聞いただけで「絶対に行きたくない」となってしまう。

これでは、ビジネスチャンスどころではない。

日本は確かに先進国かもしれないが、世界中の比率で考えれば、日本のような便利で衛生的過ぎる国は他には見当たらない。

アジアで世界で死に物狂いで活動していかないといけない日本人としては、この面からも不利なのである。

商売によるが、現地の実情になじんで生活実感をもって、 現地の人と一緒のものを食べてこそ、多くのビジネスチャンスに巡り合うのである。

そしてまた、飲食は文化を知るためにも必須だ。

なのに日本人は弱い。
だから、この最初のハードルをクリアしないといけないのである。

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