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中小企業にとって、アジアのビジネスチャンスとはいつなのか?

日増しに、アジア進出熱が高まっている。
ベトナムやカンボジアなど東南アジアの国々にいると、
アジア進出ネタで溢れかえっている。
その中でも特に大企業の進出ネタが目立つ。
当然、事業の規模や展開が大きいが故に
インパクトがあるという理由もあるが、
いよいよ、腰が重たかった日本の大企業が動き出したという実感がある。
日本の強さや良さをアジアに浸透させるという意味では大歓迎。
韓国や諸外国に圧倒されている現状を
少しでも好転させないといけない。今まで、こと進出となると、
日本の大企業は様子見が多かった。
もちろん、これには大企業なりの論理がちゃんとあって、
まずは、採算重視だという点がある。
見通しも立たないビジネスに投資するほど、
今の日本の大企業は甘くはない。
いくら保守的と言われようが決断が遅いと言われようが、
入念なる準備が大企業の今までの論理だった。
故に、市場調査、企業調査、ライバルの調査なども含めて
フィジビリティスタディに時間と労力とコストをかけてきた。
その大企業がいよいよ動き出したのだ。
これは心強いし、日本の将来がかかっていると言って良い。
待ったなしで、動いてほしい。

 

 

一方、中小企業はどうだろうか?
中小企業支援を手掛ける私としては、
中小企業の動きは我が事のように気になる。
東南アジアは中国などに比べて、まだまだ未開拓である。
日本の40年前くらい前を想像すればよい。
戦後の混沌の中、日本の経済発展の根幹を支え、担ってきた
中小企業の底力があれば、アジア恐るるに足らず・・・と思いたいものだ。
東南アジアの経済発展に相当な貢献のチャンスがあるのは間違いない。

しかし、私の想いとは裏腹に、
ここ数年のアジア進出の動きをみると中小企業の出足は鈍い。
大企業がさんざん言われてきた鈍さとは違う。
理由は色々あるだろう。
長引く不況の中、企業体力が減衰する一方の中小企業。
守り一辺倒の活動では、先細りは見えている。
何か経営改革をと誰しもがわかっている。
しかし、動けない。
創業者精神を持つような社長ならまだしも、
世代交代の時期にさしかかっていると難しい。
戦後の高度成長期を第一線で引っ張ってきた気骨ある創業者が
第一線から退いているのである。
一般的に2世、3世は、先代が築きあげてきたものを守る経営から入る。
この継承の時期に守り重視、安全運転が身についてしまう。
自然と、危なっかしい海外などとてもとても・・・となる。
しかも、海外でチャンスを発見し、ビジネスとして成立させるためには、
事業を創造できる人材が必要である。
社長が自ら乗り込むのがベストだが、これは簡単にはできない。
結局、「誰がアジアに出ていってやるのか?」という難題にぶち当たる。

今、東南アジアの現地の経営者たちの目はギラギラと輝いている。
かつての日本がそうだったように、
不安、先行き不透明な部分はあるにしても、
経済成長のど真ん中、多くの経営者の目には
ハイリスクハイリターンを前提としたビッグチャンスが見えているのだ。
その彼らは、本音では日本や先進国の“大企業”と組みたくない。
仕事は欲しいが、それ以上の付き合いはしたくない。
付き合うのであれば中小企業がよい。
自分たちには大企業になれるビッグチャンスがある。
それをあっさり放棄して、いきなり大企業と組むわけがない。
だから、ノウハウも技術も経験も知恵もある、
日本の中小企業と組みたいのだ。

こんな絶好のチャンスに、日本の中小企業がアジアで大暴れしてほしい。
大企業の進出は、このまま本格化していく。
大企業が根こそぎアジアのビジネスチャンスをつかみ、
市場を席巻すると、中小企業のチャンスがアジアでも先細ってしまう。
そういう意味では、中小企業に残されたビッグチャンスは
ここ10年ぐらいなのかもしれない。

 

 

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