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未知の国、カンボジアに見る大躍進の可能性と大きな不安

世界から注目が集まる東南アジアの中では、
カンボジアは不思議な存在だ。注目度が高いタイとベトナムに挟まれた位置にあり、
人口は約1500万人という、普通に考えれば“目立たない小国”である。
国土面積は日本の半分ぐらい。
国民の大半が農民だ。
従って農業が国の最大の産業である。
貧困問題でも有名だ。
農村部では乳幼児の死亡率がかなり高い。
貧富の格差に大きな問題を抱えた国のひとつであり、
人身売買の話もまことしやかに語られている。
グレーな部分が常に付いて回る原因でもある。
こんな国だからこそ、自然と世界や日本からのボランティア活動も活発になる。
特に日本では芸能人や経営者が学校を寄贈した話などが有名。
1度は聞いたことがあるだろう。カンボジアは、本当に日本に対してフレンドリーな国だ。
日本人が訪れると、まず入国審査のときにそれがわかる。
日本人は好かれているなと実感できるのだ。
ベトナムよりも親日度が高いように感じてしまう。
そうして、カンボジア大好き人間になってしまう。

実は、当社は来年からカンボシアの首都プノンペンで
ジャパンスタイルショップ事業を展開する予定だ。
その現場調査も兼ねて、
Webマーケティングの専門会社の社長達と先週末、
プノンペンを訪れた。
私は、定期的に足を運んでいる場所のひとつではあるが、
具体的なビジネスを実行すると決めた上での今回の訪問は、実に意義があった。
本気になればなるほど、今までと見えるものが違ってくる。
今、日本もカンボジアに熱視線を送り始めている。
日系の進出企業数も急増しつつある。
もちろん、韓国や中国、ロシアなどは随分前から進出済み。
土地の取得やカジノホテル、ゴルフ場の建設、
レジデンスの建設などで相当入り込んでいる。

最近、日本人としての嬉しい話題は、
2014年前半にイオンが大型ショッピングモールを
プノンペンの中心地区に出店することだ。
日本のカンボジア進出の本気度の象徴ともいえる。

今回の訪問までは、私もずっと勘違いしていたのだが、
このプノンペンには実質200万人の人口がいる。
日本のそれなりの都市と比較しても遜色ない規模。
イオンがこの場所で勝負するのは納得だ。

実際、現地パートナーに聞くと住民の登録は120万人だが、
田舎に籍を残したままの人がかなり住んでいる。
商圏としてみれば、現時点では購買力が弱くても、
早晩、魅力的なマーケットになるのは想像に難くない。
イオンに限らず、外資系ショッピングモールもすでにオープンしている。
日系の焼肉レストランもすでに2店ある。
その1店舗は、ベトナムで成功した浦江亭だ。
最近オープンしたようだが、すでに大盛況だ。
プノンペンには、早々と日系レストラン進出ブームが到来しそうな予感がする。

一方、大きな不安だが、それは独裁と汚職だろう。
汚職に関しては、東南アジアや中国でも似たような話だと思う。
ところが、これが独裁とセットになると始末が悪い。
ベトナム人のそれなりの経営者や有識者は口をそろえて言う。
カンボジアは外面と内面がまったく違う、と。
国際的には表面上は信頼感は高いかもしれないが、
真実を知る人達や国民からは信頼されていない。
明らかに独裁政権のマイナス影響だろう。

ビジネスの話にしても、農業だけに限らないが、
土地の取得でだまされたという話も多い。
野菜加工工場が進出して、しばらくして撤退という話も。
これも選んだパートナーが最悪だったという。
詐欺まがいの失敗事例も頻発している。
ビジネスと政治はどうしても結びつきが出てくる。
そんな中、政治家が経済発展をリードし、
国の発展に貢献できそうな空気を感じないのだ。

どこかで、大きな改革が必要な国なのかもしれない。

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