• ブログ
  • アジア

日本のサムライスピリッツを教えて欲しい!!

先日、ベトナム人社長から、
サムライスピリッツを教えてほしいと依頼された。
企業支援を本業にする私としては、正直、
この依頼に悩んではいないが、
これは日本代表として腕の見せどころだ。
しっかり準備をして、これぞ日本の真髄を伝えるため熟考中である。
依頼主は設立10年未満だが急成長のベトナム大手建設会社。
業務改善の支援と経営幹部の研修を行っているのだが、
その一環でのヒアリングの際に同社の社長から直接依頼を受けた。
社長は『Passion』と『Innovation』を
組織のDNAとして植えつけたいという。
この2つのキーワードは会社案内にも謳われていた。海外の経営者は戦後の日本の大成功の裏側には
『サムライスピリッツ』があったと信じてやまない。
しかし、今の日本を知っている私は、その話を聞くと誇らしい反面、
今の日本の現実は随分と異なることも伝えなくては…と思うことも。
我が社にしても、自信を持って全員隅々まで
サムライばかりとはとても言えない。
社長の立場としては、経営の結果に簡単には
満足できない中で、社長共通の重要課題のひとつである、
『組織に情熱と変革を植え付ける』のはそんな容易いことではない。
今回の宿題は偶然ではなく必然として、
お客様へのサービスとしてだけでなく、
自社の課題としても深く考察しようと思う。ベトナム人経営者と普段付き合っていて実感することだが、
ベトナムと日本のビジネスにおける親密度合いは増すばかり。
いよいよベトナムの経営者も本気モードで
日本と付き合う気になってきた。
しかしながら、日本のことは、本当に知られていない。
定番では、せいぜい、『サムライ、サクラ、富士山』まで。
もちろん、海外では、トヨタ、ホンダ、ソニーなど
ナショナルブランドの商品としての認知度は高い。
変わったところでは『アジノモト』。
このパワーも本当に凄い。
あとは、必ずしも良いイメージでもない大人のカラオケ。
もっともっと日本自ら日本のことを知ってもらう努力が必要だ。
昔のことも今のことも。

とはいえ、驚くことがある。
幸いにして日本は東南アジアから多くの人に
リスペクトされているのである。
幾つかの要因はあるが、戦後の奇跡的な復興、
とりわけ、経済的な躍進は、いまだに東南アジアの経営者からは、
尊敬されているのは事実である。
東南アジアでも本格的なマーケット獲得競争時代に
突入しつつある。
今までは中国や韓国などが東南アジアを席巻してきた。
しかし、その時代は終わりを告げようとしている。
東南アジアは、すでに世界が注目する激戦区、
日本もようやく遅ればせながら、本格的参入が始まる夜明け前だ。
現地の経営者も気づき始めたのだ。
今までは、質よりも『スピード、低価格、量』を重視してきた。
これからは、『スピート、低価格、質』を
現地の顧客が求めている。
日本に学びたいという依頼が増えてきたのにも頷ける。

ベトナムだけに限らないが、タイやマレーシア、
そして東南アジア全般において社員に向上心や出世欲があまりない。
これは国民性なのか。
現地の経営者ももどかしいだろう。
こんなビックチャンスが目の前に横たわる今、
経営者は社員も自分と同じように働いてほしいと、強く思っている。
時代背景は違うが、サムライスピリッツの注入は日本だけでなく
東南アジアの経営者も共通した経営課題なのだろうと気づかされる。
連携して打破していきたいと思う。

—–