ハノイ、ホーチミンでそれぞれ開催した。
2つの都市で約350人以上のベトナム人経営者、
日本人関係者にお集まり頂いた。
まず、皆さまに御礼申し上げたい。
イベントとしてサービスレベルの向上を高めていくことは
今後の課題として精進していくつもりである。
とはいえ、これだけ多くの方々にお集まり頂いたことを
素直に嬉しく思う。
今回はこの盛り上がりの背景を考えてみたい。ここ最近、ベトナムと日本の友好関係、
信頼関係の構築は急速に進んでいる。
約20年前からベトナムでビジネスを展開してきた身としては
隔世の感である。
とはいえ、日本国内の経営者としての視点から見ると、
ベトナムに注目しているのはまだまだ一部といえるだろう。
日本人が押し寄せ始めているベトナムといえど、
まだまだ未知の国。
まさに日越ビジネスは、ようやくスタートラインに
それぞれが立った段階ではないか。
今、日本は多くの課題を抱えた国であることは
誰もが認識している。
政府主導で農業再生に取り組み、人口減による地方の衰退に
ストップをかけるべく、地方再生も叫ばれている。
そんな中、日本の経営者の視線は東南アジア全般に
向き始めているが、いまだシンガポールやタイが
第一候補と挙がっているのが実状。
私たちはベトナムでのビジネス活動を東南アジア全域における
展開の橋頭堡として重要視している。
ベトナムの課題、日本の課題を突き合わせてみると、
中期長期的な視点で連携することが非常に有意義であり、
お互いの国の発展に不可欠なパートナーであることを
再認識することができる。
特に製造業、建設業、農業などの連携は力強い歩みを
始める好機を迎えている。
経営の成功の鍵を握る人材育成は戦後復興の日本の
原動力になってきた実績に裏づけされるように、
日本の制度・仕組みは世界でもトップクラス。
一方、ベトナムはビジネスの歴史が浅く、
ポテンシャルを持った人材がたくさんいる中、
いまだ“もったいない”状況だ。
日本のサポートでビジネス人材の育成を進めることが、
双方の関係強化の礎になることに疑う余地はない。
日本の課題といえば、事業承継もそのひとつ。
約200万社の中小企業のうち、40%が後継者の
目処が立たず存亡の危機を迎えている。
世界に誇る日本の技術やノウハウの源泉が消えていく
大きな国家的危機といっても過言ではない。
ベトナムなどの東南アジアの新興国は、
日本の中小企業の技術やノウハウを必要としている。
現地のベンチャースピリットに溢れる経営者と日本の中小企業、
とりわけノウハウの伝道師であるシニアの連携こそが、
これからの大きなテーマとして挙げられると考えている。
だからこそ、当社も日本のノウハウの伝道師たるシニア人材の
現地企業への紹介について積極的にサービスとして
提供していく予定だ。
このように、日本の課題とベトナムの課題を
照らし合わせみると、お互いがビジネスパートナーとして
強みと弱みを補完し合える関係であることを実感する。
まるで、日越の課題はパズルのピースの如く。
お互いが補完し合えれば、この難解なパズルのピースも
不足なく埋めることができるのではないか。
10月14日にハノイで、そして10月15日はホーチミンで、
数多くのベトナム人経営者と交流するとこのことを
よく再認識することができる。
10月16日はスポーツ交流としてベトナム人経営者と
ゴルフコンペを楽しんだ。
こちらも総勢80名を超える方々が集まり、
ゴルフだけでなくお互いのビジネスの意気込みを確かめあった。
ベトナム人経営者は皆、やる気がみなぎっている。
この1週間で最も感じたことは、日越ビジネスは
新しいステージを迎えているということである。
一昔前ならば、ベトナム自体のインフラの問題や
未成熟な点ばかりをあげつらう声も多かった。
時代は流れ、共に課題を共有して手を取り合い前に
進むことができる段階を迎えていることを認識しておきたい。
ベトナム人経営者の多くがその時代の潮流を感じ取っている。
だからこそ、日本企業と真剣に付き合い、自らのレベル向上を
果たしたいと訴えかけてくる企業が飛躍的に増えた。
日本企業も、ベトナム企業もお互いの課題解決に向けて、
真剣に語り合い、第一歩を踏み出すことができれば、
すべてが前に進む。
日本企業も自分たちのことばかりに終始するのではなく、
相手の国の課題を知り、膝を突き合わせて語り合ってもらいたい。
そして、何でもよい、“何か”を始めてみることだ。
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