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アジアビジネスの基本は『誰とするか』にある

最近は日本にいても感じるようになったのが、
東南アジアビジネスへの注目である。
日増しに注目度は大きくなるばかりだ。
特に、昨年あたりからのベトナムへの注目度の高さは
ベトナムビジネス歴20年の私たちでも正直驚く。「毀誉褒貶」とはよく言ったものだ。
十数年前からすると、ベトナムへの評価や期待値が
天と地ほどひっくり返った。
かつてはベトナムに関心を示す経営の関係者は皆無に等しかった。
そんな人たちまでもが今、私に言う台詞がある。

「先見の明がありますね」

こんな台詞を投げかけられると、
私はいつも「たまたまです」と返事している。
謙遜しているのでもなく、わざと言っているのでもない。
本当の話なのだ。

弊社がベトナムで長年活動しているのは、
先見の明でもなんでもない。
信頼できる年の近い友人社長に勧められてのことで、
根拠や勝算があったわけではない。
強いて挙げるなら私の性格にあるだろう。
人の真似をすることが大嫌いな私は、
友人の熱い誘いに2つ返事で決めた。
その頃のベトナムは、まだ無関心な日本の経営者から見ると
未知の未開の国だったのだ。
これが弊社の東南アジアビジネスの原点となった。
リーマンショック後すぐに弊社は日本国内において
中小企業のためのアジア進出の機会創出を目的とした
「アジアビジネスカンファレンス」を定期開催するようになった。
当時も「こんな先行き不透明な時代にアジア進出かよ・・・」
という空気が漂っていた。
しかし、だからこそその時期に始めたのだ。
前述のとおり、人と同じことをするのが嫌で仕方ないのだ。

以後、東京、大阪、名古屋、ホーチミン、ハノイ、上海と回を重ねて、
第49回目を4月15日東京で開催する予定だ。
そして記念すべき第50回目は5月25日に開催する。
開催地はベトナムでもっとも成長余力があり、
注目されるダナン市である。

「アジアビジネスカンファレンス」は約10年近く、継続的に開催し、
多くの経営者同士の出会いの場を創ってきた。
弊社のこの交流会の目的を理解できない人からは
面倒なことを色々と言われ続けてきた。
「もっと個別のテーマ別商談会にするべきだ」などの指摘も多かった。
もちろん、弊社もビジネスマッチングの場の提供や
個別視察のアテンドなどは数多く行っている。
しかし、交流会がもっとも重要だと思っているのだ。
だから今でも継続して行っている。
理由はシンプルだ。
海外でのビジネスは短期勝負ではない。
短期勝負なら、相手の国も人もわからないうちから、
自社の商品や技術にマッチした相手探しが重要だろう。
また、とにかく自社の利益だけを追求する企業であれば、
とにかく商品を高く買ってくれる企業、
扱いやすい企業を見つければ良いだけだ。
しかし、弊社が基本にしているアジアビジネスは考え方が異なる。
相手の国が望むこと、その国の経営者や消費者が望むこと、
問題としていること、解決したいことなど、
要するに相手の立場で日本の商品やサービスを探す。
これが基本である。
結果的には「Win-Win」ではあるが、
まずは相手のことを先に考える。
そのためには、相手の国の生活目線で物事を考える必要があるし、
現地の信頼できるパートナーと出会うことが大切である。
日本などでセミナーをすると突然詰め寄ってきて
「パートナーを紹介してほしい」といきなり切り出す方もいる。
人との出会いと信頼関係の構築はそうではない。
まして、経営者同士の信頼関係の構築はそんな浅いものではない。
自然体でしかも長期的なものだ。
時には酒を酌み交わし、スポーツで汗を共に流すことも必要だ。
短期的な視点でも自社の目的に合致する相手を探すことに
成功することもある。
しかし、それは単なる偶然に過ぎない。
こういう事例に短期的視点の自治体の担当者が飛びつく。
だから、多くの地方の中小企業が誤解する。

未知の国でのビジネスは一筋縄ではいかないし、
落とし穴はたくさんある。
視察や短期滞在でベストパートナーを見つけることは
不可能に近いだろう。
弊社が交流会を開催する理由がそこにある。
自分たちの経験から、少しでも信頼関係を
構築できるお手伝いができると思い、現在まで継続してきた。

昨今は、ベトナムにおける越日交流イベントも増えてきた。
弊社も昨年11月に、ベトナム南部の都市カントーにて
越日交流イベントをオーガナイズした。
日本の文化や伝統芸能、カラオケ大会から美少女コンテストを行い、
多くの人たちに喜んでもらった。
数万人が会場に押し寄せ、本当に盛り上がった。
日本のことをまったく知らなかった多くの人々が、
日本の良さに初めて触れた歓喜の3日間である。
並行して、ビジネスカンファレンスも開催。

このような取り組みの中で、改めて痛感した。
日本のことを知ってもらう努力は今以上に必要だ。
その上で、経営哲学や人柄が合致する人と出会うことができる。
日本でも同じだが、
特に未知の東南アジアビジネスにおいてはここが重要だ。

「何をするかよりも誰とするか」

民間企業が勇気をもって、相手の国の人と親しくなる、
信頼関係を構築すべきである。
そして、それが横に広がる。
自治体や公的機関はそういう人たちを後方支援する姿が
一番バランスが良い。
誰とするかを決めるのは経営者なのだから。

4/15「第49回アジアビジネスカンファレンス」詳細はこちら!

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