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NATOから共生へ、日本のプレゼンスを高める絶好の機会の到来

東南アジアやアフリカで活動していると、毎回新鮮なことや発見が多くワクワクする。
その一つが、日本人はやっぱり好感度が高いという実感である。
先月初めて訪れたエチオピアでもそう感じたが、何度も行っているベトナムでも常にそうだ。
ベトナムと一言でいっても日本と同じぐらい広い。それだけ見知らぬ田舎は山のようにある。
発見は尽きることはない。


そもそも、日本のパスポートは世界一通用する国が多いことで有名だが、私は基本的にはビジネス目的で
色々な国に行くので、一般の方とは感じ方は違うと思う。


 日常、ビジネス目線で新興国に接しながら、相手の日本人への期待は何か?
という視点で考えている。
日本が新興国に貢献できるチャンスがどこにあるか?
それを見つけるため、具体的に確信するために新興国に何度も訪れているともいえる。


 一般的な見方をすれば、相手の新興国が親日かどうかというシンプルな話題は多いと思う。
そういう意味では、新興国は親日国が多いと私にも実感はある。



しかし、現実は違っていて、実は、大抵の新興国では日本人のことをよく知らない人が大多数である。
だから、最近注目のベトナムも国全体で親日国とはいいがたいのである。
日本のことを知らないから親日かどうかの議論のしようもないのが実情である。
日本の商品やメーカーの名前は知っていても、
日本人が思っているほどには、日本や日本人は新興国で知られていないのである。


理由は簡単だ。日本のことを伝える努力してこなかったし、まだまだ日本人の新興国への訪問数は少ない。
隣国の韓国や台湾や中国などに比べたら、圧倒的に少ない。


 ベトナムにしてもミャンマーにしても、日本がようやく経済的な共存共生のカウンターパートとして
視線を向けてきた。実際にビジネス関係の訪問も急増している。
こういう変化は、新興国の発展に貢献するビジネス活動をしている私にとってはうれしい限りなのだが、
反面、とても心配なことがある。


日本のビジネスはNATOとよく揶揄される。
NoAction Talking Onlyの意味である。

つまり、視察して聞いて学んで、実際に始めない。一様に日本人に対して新興国の経営者たちは
そう思っている。実際、韓国や中国や企業などと比べて、実行するのに時間がかかりすぎといわれる。
何を怖がっているの?こんなにチャンスが転がっているのに?という具合だ。



それでも最近は日本人と組みたいという経営者が増えてきた。
特にベトナムは劇的な変化が始まっている。
日本人は信用できるから。約束守るし、品が良いし、何よりも根気よく取り組むからと。
ただし、日本人のまじめさという部分は信用でもあるが、マイナスでもある。


全体としては、日本のハイレベルな品質やサービスを学びたい、自分たちのビジネスに取り組みたいと
真剣に考える経営者が新興国に増えてきたことを率直にうれしく思う。
逆に言うと、いままでは、新興国のレベルは、日本がすでに実現しているレベルは到底及ばない
ビジネスだったということである。新興国が進化する過程では、さらなる改善が常に必要になる。
そうなるとますます、日本の価値が見直されてくる。日本が本当の意味で理解されだした段階かと思う。


日本がこれから新興国でプレゼンスを発揮し、活躍するためには、
新興国の生活者や経営者が日本に期待していることに沿って、日本の技術や仕組み、
ノウハウを伝えていくことである。そして、現地の経営者などと共生しながら、新興国に適応させていく。
サービスや教育面なども日本が貢献できる大きなポイントである。


新興国からのエールはますます熱烈になってきた。
このブログでも日本へ期待する具体的サービスやノウハウを取り上げていこうと思う。


近藤昇のエマージンググローバルエリアを奔る
2019年8月17日(土)『NATOから共生へ、日本のプレゼンスを高める絶好の機会の到来