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第19回 シニアとの共生と協働

弊社は創業期より『老若男女多国籍軍』を標榜してきました。男女、若者とシニア、そして外国人が入り混じり、同じ職場で同じように働く姿こそ理想として掲げ、まい進してきた所存です。
おかげで、世間一般の会社より社内は女性の活躍できる土壌が育ち、またベトナムを筆頭に外国人を受け入れる障壁がまったく存在しません。とはいえ、シニアとの接点は数としてあげれば、まだまだ少なかったというのが実情です。それは、私が31歳の若さで独立し、起業したということと少なからず関係があるかもしれません。当時の私からすれば、シニアは遠い存在。ある程度の年齢差は許容できますが、
さすがに30以上も齢が離れたシニアと仕事をバリバリとしている姿をなかなかイメージできなかったのでしょう。

10月をもって弊社は第24期を迎えました。ここまでこれたのも、お取引先の皆さま、そしてパートナーの皆さまの暖かいご支援のおかげだと実感しています。その中でも、昨今は数多くのシニアの方々の応援に感謝するばかりです。私も今年で54歳という年齢に達し、ようやくシニアの方々とのお付き合いの中で、多くのことを学び、そして気づかされます。先日も徳島県にてNPO法人アジア起業家村推進機構・四国研究センターが主催する「アジアビジネス探索セミナー」の講師として登壇させていただきました。私はアジア起業家村推進機構アジア経営戦略研究所の政策顧問そして四国研究センター長を務めさせていただいています。登壇された他の講師たちは、まさにアクティブシニアを代表する方たちばかり。日頃、何気なくお付き合いさせてもらっておりますが、改めて、
皆さまのパワフルさには舌を巻くばかりです。

シニアが地域やコミュニティにおいて活発に活動することは政府も後押ししています。さらに、一歩踏み込んでシニアが自らの経験を生かして、ビジネスの現場で再び活躍することも応援しています。
労働力不足の日本においてシニアの活躍は願ってもいないことであり、特に過疎による人口減が常に課題となる地方においては、そんなシニアを求めています。葉っぱビジネスで有名な徳島県勝浦郡上勝町の株式会社いろどりなどは、まさにシニアの活躍する企業の代名詞であり、今後、このような企業体は数多く登場するのではないでしょうか?

2016年、ついに日本の人口のうち65歳以上が4分の1を占めることになりました。つまり、日本は4人に1人が65歳以上という国になったのです。65歳といえども、現代においてはまだまだお元気な方が多いでしょう。弊社から発刊した「もし波平が77歳だったら?」にも詳しく述べていますが、数多くのアクティブシニアがさまざまな場面で活躍されています。そのような背景の中、シニア起業も数多く見られるようになりました。中には70歳を超えても、事業意欲を失わず、情熱的に活動されている方々も少なくありません。そのような方々を見るにつけ、高齢化社会の新しい姿を実感します。

とはいえ、シニアの方々はやはりアナログ中心の時代にビジネスをされてきた方が多いのも事実です。
記憶に頼ることも多いし、何より健康面での心配も尽きません。だからこそ、これからはシニアの方々の起業をサポートするプラットフォームの機能が不可欠になると思います。記憶をデータの蓄積に置き換え、無理をせずともビジネス活動を推進できるオンラインを活用した基盤を整備することが肝要ではないでしょうか。

技能伝承や地域活性化など、シニアの活躍する場面は山ほどあります。逆の言い方をすれば、この分野はシニアの方々の真骨頂です。私たちは、このようなシニアの方々の起業を応援すると共に、それを支援するさまざまなメニューを用意していく予定です。シニアとの「共生」、そして「協働」できる環境づくりに貢献し、未来の日本の新たなビジネスの形を模索していきたいと考えています。