• ビジネスナビゲーター

いっそのこと就職を先送りした方が日本の未来は明るい!?

当社の採用活動もそろそろ終盤だ。

もっとも、最近のご時世を鑑み、当社も最近は秋採用、

通年採用も意識しているので、継続して採用は行うが、

今月(7月)でひと山は過ぎたのではないか。

今年も例年と同じく沢山の方に会社説明会に来ていただいた。

私も国内にいるときは原則、会社説明会では直接学生に話をする。

海外でもできる限りTV会議で話させてもらっている。

さすがに、TV会議でベトナムから私が登場すると
学生は一様に驚く。

大企業では、今や当たり前だろうが、当社のような小さな会社でも、

アジア活動している会社にとっては、TV会議は必需品だ。

創業時から、アナログ志向を貫いていてその方針は

今も全く変わりないが、今や世界はボーダレス。

世界中でのビシネスコミュニケーション環境は
劇的に変化しつつある。

そういう意味での広義のITインフラの発展には10年前と比べても

隔世の感がある。

私たちは、TV会議に限らず、スカイプやさまざまなツールを

使いこなしているが、ビジネスの現場とあまり
縁がない学生は驚くだろう。



学生が当社の説明会で驚く理由は、もうひとつある。

それはずばり、当社の活動範囲が、

アジアをあまりにも当たり前にしていることだろう。

当社の会社説明会の参加者は、

ほぼ全員が何らかの形で、アジアで働くことに関心がある人たちだ。

当社に関心のある学生は、学生全体で言えば、

おそらく10%未満の人たちだろう。

当社の話を聞きに来る学生は、関心の輪が普通の学生よりは、

日本の外に向いている人たちだ。

それでも、アジアの現実や実態をつかんでいるかというと

そうでない。



――アジアに留学経験があったり、

バックパッカーでアジアや世界を回ってた。


こんな人は、日本と海外の現実をよく理解しているのだが、

それ以外の学生にとってはちょっとした関心の域を出ない。



最近、私の周囲におけるビジネスに関する

話題の中で劇的に変わってきたことがある。

それは、ビジネス目線中心の話ではあるが、

老若男女国籍問わず、日本の未来を憂う人が増えてきたことだ。

テーマはさまざまだが、その中でも特に若者の

引きこもり傾向に危機感を覚える。

若者が日本の国内から出たがらなくなっているのである。



ただでさえ、お隣の韓国などに比べたら、

アジアや世界での活動に出遅れている。

日本の存在感は、アジアにおいては日々薄れている。

いくら我々の世代が、アジアで頑張っても、

それに続く若者が出てこないと、それこそ日本沈没だ。

そして、日本の未来は真っ暗だ。

もっとも、日本が今まで以上に、世界に伍して

ビジネスをしていくという選択をするという前提の話であり、

別の選択をした場合は、当てはまらないのだが・・・。



採用活動や学生との接点で思うことは、

一言で言えば、やっぱり、日本の学生は余裕がない。

大学を卒業して、すぐに会社に勤めるパターンは、

アジアでは日本と韓国ぐらいだそうだ。

確かに、ベトナムでも卒業してから半年後ぐらいに就職している。

横並びというイメージはそこにはない。

制度上の問題の部分も大きいだろうが、

日本の学生は学生時代に就職活動に

奔走しすぎているということだ。



私の率直な想いとしては、どうせ就職が難しい時代なのだから、

少し時間をとって、世界やアジアから日本を客観視し、

社会勉強をしたらどうかと思う。

あせらず、1年や2年くらいパックパッカーでアジアを回るとか、

世界のどこかでインターンをする、アルバイトをするなど。

また、ボランティアも良いかもしれない。

方法はいくらでもある。



先日も、こんなことを説明会で話したら学生は目が点になっていた。

中には、なんと無責任な発言と思った学生もいただろう。

だが、私は本気だ。

もっとも、家族や親戚にはじまり、

しがらみにがんじがらめの中では、

現代の日本では、よっぽどのことがないと

実現性に乏しいかもしれない。



ならば、いっそのこと、社会全体で就職の仕組みを変えて、

学生は社会勉強をしてから会社に入る。

これをひとつの仕組みにすればよい。

当然、企業側の賛同、協力が必要な話なのだが・・・。

こういう変革をしたらどうかと思う。

その期間にすることは、農業体験かもしれないし、

アジアで働いてみることかもしれない。



もうひとつ、まわりの方が賛成してくれることがある。

それは、10年後は普通にアジアの企業に学生が

就職する時代になる、という考えだ。

10年後は学生の最低でも3分の1が、

日系でないアジアの会社にダイレクトに

就職する時代が来ることを願っているし、

その実現に向けて少しでも貢献したいと思っている。

 

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