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日本のマーケットを狙う経営者たち

日本国内のマーケットが縮小していることを、知らないビジネスパーソンは今や皆無だろう。

そしてまた、新たなマーケット開拓としてアジアに目を向けることも、ごく自然な流れだ。

今までのこのブログでもさまざま話題にしてきた。

では果たして、日本の国内マーケットの魅力は薄れていく一方なのだろうか?

私は、必ずしもそうは思わない。

現に、今でも日本国内のマーケットだけをターゲットにした起業は後を絶たないし、シュリンクしているとはいえ、ビジネス環境の変化の中には、チャンスも数多く隠れている。

地域密着型、女性目線の新規ビジネスなどに目を向けると、規模は小さいが、社会貢献型の有望なテーマはいくらでもある。

同時に、アジアの経営者からすれば日本のマーケットは、それこそ、よだれが出るほどおいしいマーケットでもあるのだ。

実際、アジアの現地でさまざまな世代の経営者と交流していると、日本を意識している経営者は少なからず存在する。

日本のマーケットで勝負しようと虎視眈々と狙いを定めているのである。

私たち日本人にとって彼らと話すことは、日本の魅力を客観的に見直すいい機会にもなる。

現在の日本を当たり前だと思っていると脳がマンネリ化して、昔の日本の昔を思い浮かべることすら少なくなってなってくる。

アジアの経営者と話していると、まるでタイムマシンで昔の日本に戻り、当時の経営者に会ったかのような感覚すら覚える。

今の日本の商売は複雑になりすぎた。

彼らの発想や考えは実にシンプルで、私たちも気が付くことが多い。

そして皆、可能性に満ち溢れているのである。



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一方、彼らにとっても、日本のビジネスに触れることは、価値のあることだらけだろう。

仮に日本へ観光できただけでも、ビジネス感覚を養うのに役立つだろう。

日本は、彼らからすると未来の国なのだから・・。

これからは、日本に目を向けるアジアの経営者が増えていくだろう。

そのギッャプが埋まれば、さらに加速するのはいうまでもない。

日本の経営者にとって、今後彼らといかに協業していくかも新たなテーマになるのは間違いない。

先日、訳あって東京ビックサイトに出かけてきた。

「世界ギフトフェア」という名のとおり、世界中からギフト産業に関る会社が結集し、思わぬ収穫も沢山あり、まさしく瓢箪から駒。大満足の見学、調査となった。
と、同時に、私自身も大きな刺激をもらった。日本という国は、成熟しているという実感と、ものづくりパワー、商売センスのレベルの高さに改めて感心した次第である。


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当初の訪問目的は、ベトナムで知り合いのDoma Vina社Tan社長が、出店しているブースを訪れてから寿司屋で昼食を取ることであった。

1ヶ月ほど前に、ホーチミン市の彼のオフィスを訪れてこのフェアのことを知りベトナムからは12社が参加する予定であると聞いていた。

選ばれた会社が、政府の補助を受けて格安で日本のギフトフェアに行けるのだと。

初めての日本ということもあり、目が爛々と輝いていた。

結構広い会場内で、ようやく探し当てたブースには、不慣れななか、どこか不安げに、一人で座っている社長がいた。

約束どおり、昼食に出ようと誘ったが、ブースが一人なので、場を離れられないという。言われてみて初めて気付いた。一人なんだと。

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日本人がアジアに出て行って、商売するのにも勇気がいるが、アジアの人が日本で商売を始めることも結構大変だと思う。

日本は、外国人にとって、必ずしもやさしい街ではない。

道案内1つ、レストラン1つとっても、やさしいガイドとは言えない。

英語を話せる人もそういない。

商売を始めようと乗り込んでも、日本のビジネスの仕組みや感覚をある程度実感できるようになるには、相当時間がかかるだろう。

もちろん、日本のパートナーに恵まれればこういう心配も少なくなるかもしれないが。

近藤昇ブログ-2-20100216



しかし、大方の社長は、信頼できるパートナーを見つけることを望みながらも、それが叶わずにさまざまな試行錯誤するのだ。

このギフトフェアへの参加もその1つだろう。
今回の社長の様子を見ていると、日本はアジアの国から商売に来る人に対してもっと寛容になり、チャレンジしやすい環境、仕組みづくりに努めなくてはいけないと痛感した。

日本で活躍するアジアの経営者がどんどん増えて、自国で日本の良さを伝えてもらえれば、アジアの中での日本も、さらに理解してもらえるし、お互いの信頼関係が高まるだろう。

当社でも、少しずつでも、こういう人たちのサポートの仕組みづくりにも、力を入れていこうと、決意を新たにした次第である。

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