• ビジネスナビゲーター
  • ブログ

アジアマーケットは宝の山だが見極めが重要

昨年の後半ぐらいから、
ベトナムでも新たなマーケットを創造するための企業活動が活発になってきた。
マーケット開拓の戦略を考察する際のひとつの目安として、
その国の1人当たりのGDPが指標として取り上げられることがある。
ベトナムは昨年この指標が1000$を超えた。
これに歩調をあわせるかのように、日本のコンビニも商売を始めた。
また、ビールや化粧品なども本格的な進出が始まっている。
一般消費者相手の商売に絞って考えると、
顧客層は、大きく3階層に分けることができる。
ピラミッド構造で表現すると、底辺は低所得者層、真ん中が中間層、
一番上が富裕者層となる。
それぞれのセグメントに対して、どういう商売をするかは、
それぞれ異なった戦略やアプローチが必要となる。

低所得者層については、今BOP(Base Of the economic Pyramid)ビジネスとして経済産業省にも後押しされながら、少しずつ注目されつつある。
少し解説を加えると、年間3000$以下で暮らすBOP層に向け、
健康問題や貧困対策など社会課題の解決を通じて
新しい市場を創造するというものである。
ちょうど、国も市場調査や先行事例などの研究を始めた段階だ。
将来的には購買力の向上を促進するようなビジネスを企画し、普及させるというスタイルである。
当然、体力があり展開力がある大企業の活躍する場ということになる。

中小企業のビジネスを前提で考えると、
中小企業がアジアで狙うべきマーケットは、
おのずと富裕層か中間層ということになる。
事例を取り上げながら考察してみよう。

例えば、アジアの主要都市のどこへ行っても日本人経営者による飲食店が存在する。
都市が発達する初期段階での飲食ビジネスの展開としては、
まず、現地に在住する駐在員や出張滞在の日本人を相手にした焼肉屋などを始める。
最初の顧客は、日本人がほとんどだが、徐々に口コミなどで広がっていき、来店客が現地人へと変わっていく。

市場の潜在的大きさはビジネスの成否を左右する重要なポイントだが、
日本人だけを対象とするビジネスでは限界がくる。
それだけでは、アジアで勝負する意味はあまりない。
ローカルマーケットに浸透してこそ、ビッグチャンスが待っている。
従って、オーソドックスなアプローチとしては、
飲食業などの場合は、日本人顧客から開拓し、ローカル顧客へ展開するのが良いだろう。
ホーチミンなど、これから発展が見込める都市においてのオーソドックスな成長パターンだ。
一方、上海、シンガポール、香港など都会化が進んだ場所だと、
ある一定水準以上の日本食レストランは普通に存在する。
このような場所で勝負するには、相応の覚悟と労力が必要だ。
すでに、ローカル顧客は日本食に慣れ親しんでいるし、
顧客からの要求も厳しくなる。
どういう国でどういう品質、サービスレベルで勝負するかを
いくつかのマーケットと比較して、勝負する場所(国や都市)を決めることが中小企業には重要だろう。

もうひとつの事例として日本の商品を販売する小売業を考えてみる。
ホーチミンなどの場合は日本の商品が買える場所はほとんどない。
一方、韓国の商品が買える場所は沢山ある。
そういう点では、既に韓国商品のブランドはある程度まで、
ローカルマーケットに浸透しているといえる。
消費者の心を捉まえているかどうかはわからないが・・・。

大企業のナショナルブランドぐらい訴求力があれば、
単独で進出しても十分勝ち目はあるだろう。
ところが、中小企業が勝負するとなると、ブランドの浸透や宣伝広告に膨大な投資をすることはできない。
そこで重要になってくるのが、日本ブランドを浸透させる活動である。
これは中小企業が連携して、まさにチームで実行することが最低条件であるし、韓国などの事例に倣えば、政府のバックアップも併せてオールジャパンでマーケットの創造・創出に動く必要がある。
ちなみに、当社も『ジャパンスタイル』と称して、日本の存在感を高める活動にも力を入れている。

メコンゴルフショップクレセントモール

—–