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海外ビジネスを円滑に行うためのICT活用のコツ

日本の企業は大も中も小も、
一斉に海外進出に向けて動き出してきた実感がある。
当社は、21年前の創業時から海外でビジネス活動を行ってきた。
そして同時に、ICTサービスを企業に提供する会社として
活動を始めたので、
「海外ビジネスをすること=ICTを上手に使うこと」には
どこよりも先んじて、自然体で取り組んできたと思う。進出当時のことを思い起こせば、
中国でも韓国でも台湾でも現地の経営者は、いきなりアナログ的だった。
日本の国内だけでビジネスしている経営者は、
日本人がアジア各国の中では一番ウェットだと思っている。
だが、私はそうは思わない。
日本人も確かに“ノミニケーション”や“ゴルフ”などでの
信頼関係の構築は重要視する。
しかし、アジアの経営者はもっと濃い。
私が、韓国のベンチャー企業と日本の企業の橋渡しをしていた
約15年前ぐらいのことだ。
その頃の韓国は、日本より先行してブロードバンド化が進行していた。
ソウルに乗り込んでいきなりド肝を抜かれたことを今でも鮮明に覚えている。
彼ら特有の、100%の事実を200%ぐらいに
ハッタリをかまされたからではない。
オンラインセミナー配信の合弁会社設立の話をしていた時である。
打ち合わせで何を話そうかと思案していると、
挨拶程度で打ち合わせは終わり、「今日はまずは飲もうよ」と言う。
結局、三次会までご丁寧にセッティングいただいた。
韓国のおもてなしだからそれは密度が濃い。
十分すぎるほど打ち解けた翌朝、
これで商談もまとまったと勝手に安心していると、
予想外にことが進んだ。
この時の打ち合わせは、前日とはうってかわってとてもタフな
交渉の場となったのである。
その頃の韓国は、ネットベンチャーは日本よりかなり進んでいた時期で、
彼らは自信満々だった。
強気なのはわかるが、昨日のフレンドリーな感じは
いったいどこへいったのか・・・。

そんな経験をしたあの頃から十数年が経った。
今は、ベトナムにどっぷりハマりながらも、
東南アジアを見据えて、建設や農業ビジネスなども推進している。
実は、ベトナムも韓国に負けず劣らず“ノミニケーション”を大事にする。
アジアでいかにビジネスを推進するか?
長年考え続けてきたことだが、当社が創業時からご支援のフォーカスに
させていただいてるのは中小企業だ。
やはり、アナログ的でウェットな会社が多い。
経営者も叩き上げで人間味あふれる方が多い。
だから、ますます、深入りしてしまう。
こんな中小企業も今は、海外を視野にするべき時代、
いや、視野にできる時代が来たと言えよう。
大企業のように資金力もないし、人もない。
とても中小企業では太刀打ちできないと思われている。
ボスである社長自らが出張っていけば良いが、そんな余裕もない。
ボヤきと諦めのオンパレードだ。
ただそれでも、パワフルな社長も少なからず存在する。
60歳を超えても、馬力があって、しかもその国が好きで
何度も足を運んでいる社長もいる。

すでにアグレッシブに活動している社長も、尻込みしている社長も、
こんなチャンスの時代になんともったいないと思う。
それはICTを使えていないからだ。
日本は、アジアを中心、例えば、ベトナムかタイあたりを中心に地図を
見ていただいたら、とても辺境の場所にある。
近いということは親近感だけではなく、実際に商圏も一体化するし、
物流も生まれるし、ビジネスのシナジーが生まれやすい。
日本はとても不利な場所にあるのである。

実は、当社は、海外活動を始めた時から、
こういうハンディを深く感じたことはない。
飛行機に乗っての移動は面倒に思うのは正直なところ。
しかし、通常のビジネス活動は、海外にいることを意識せず、
日本国内と日常業務、重要会議、営業活動ができている。
言うまでもなく、ICTを自然に、上手に活用してきたからだ。
具体的には、メールの活用やTV会議の活用である。
そして、ベースには情報共有化・活用化のための仕組みづくりだ。
今では、安価で安心なクラウドサービスまで登場した。
ますます、快適になる一方である。
こんなこと書くと、中小企業の社長から怒られそうだ。
「バカを言うな。直接会って、
仲良くならないでどうやってビジネスが上手くいくんだ」
もちろん、私は今でも実践している。
直接会うときは、徹底的に飲んで遊んでゴルフする。
一気に関係は深くなる。
仕事を進めるのは、遠隔地での会議やメールで充分こなせる。
要は使い分けと、メリハリなのだ。
今の日本企業は一番中途半端なやり方をしている。
このままではICT活用時代に取り残されていくのではないかと
心配になる。

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