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ドバイとベトナム、そしてウガンダを食と農業ビジネスでつなげる

前回ドバイの状況をブログで書いたが、
先進都市にありがちだがドバイの弱点は食料の自給だ。
ドバイ周辺には膨大な土地はあるが、基本的に砂漠であり、
当然、農業には向かない。
調べてみるとUAEの国土の1%しか農業ができない。
農業に欠かすことができない水はオマーン国境沿いの山脈から
地下水をくみ上げた水源がある周辺のみ使用でき、
その土地で農業が行われている。
ドバイは生鮮食品の大半を輸入に頼っている。
世界の富裕層が集まっている魅力的なマーケットでもある。そして、イスラムマーケットの登竜門としても考えられる。
世界中からさまざまな食品が集められる。
実際、ドバイモールの高級スーパーマーケットには所狭しと
野菜や果物が陳列されている。1_1_20160530 1_3_201605301_2_20160530

生産国を見るとまさしく世界中だ。
エジプトからリンゴ、東南アジアのフィリピンからはバナナ、
タイからはマンゴー。
米国からジャガイモ、ヨーロッパからもオランダを中心に
数多くの国の食が並ぶ。

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まさに世界の食の見本市を見ているようだ。
ここでベトナム産を探してみたが、残念ながら見当たらなかった。
スーパーで売られているカット野菜は日本のそれと遜色ない
ように見え、鮮度もよさそうだ。
カット野菜の安定供給にはしっかりした仕組みが必要だが、
富裕層の今の生活の贅沢さが透けて見える。

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日本の果物は近隣の上海や香港で人気だ。
リンゴがひとつ2000円で売れるという話は、
輸出にかかわる関係者はよく引き合いに出すネタでもある。
弊社のビジネスパートナーである
株式会社ジャパン・ファームプロダクツの阿古社長は
カンボジアで農業ビジネスを行いながら、日本から柿や
りんごを仕入れて、カンボジアの富裕層に販売している。
熟した柿よりも、少し硬めが好まれるという実体験からの話は
面白い。
いずれにしても、安心・安全においしさも抜群の日本の果物は
どこの国の人にも人気があると言っても過言ではない。
ドバイには、まだまだ日本のおいしい果物は出回っていない。
時々、日本の企業や個人が日本の果物や野菜をドバイへ販売
というニュースが流れている。
しかし、いまだに本格的な販売の話をあまり耳にしない。
日本から見たら、やはり中東の国であるドバイはとても
遠い国なのかもしれない。

一方、ドバイをベトナムやウガンダから見ると距離的に意外と
近いということに気づく。
ベトナムやウガンダで野菜や果物をつくってドバイに売る
ということも考えられる。
こういう連携による農業ビジネスはこれから増えてくるだろう。
まさしくグローバル六次化農業とでも言おうか。
今まで弊社は、ベトナム、東南アジアでの農業ビジネスを
推進してきたが、今回ドバイに立ち寄ったことで
新たなマーケットの存在に改めて気づいた。
ベトナムやウガンダで日本人が関わって安心・安全で品質の
良い野菜や果物をつくる。
そして、それをジャパンスタイルの食品としてドバイで
付加価値をつけて売る。
こんなビジネスの仕組みが構築できる可能性は大だと思う。

もうひとつ、ドバイやUAEでの農業を考えてみる。
少しネットで調べてみると、

~ドバイの気候は亜熱帯気候に属している。1年は基本的に
夏季(4~10月)と冬季(11月~3月)に分けられ、夏季は
高温多湿で、気温は40℃以上、湿度は100%に近くなる。
一方、冬季は比較的温暖かつ湿度も適度で平均気温は日中で
20~30℃、夜間は15℃位になる。
ドバイや周辺の首長国では、水が貴重なため農業用水に制限が
かかっている。少ない水でも栽培でき、国内でも多く
消費されているナツメヤシ(デーツ)の栽培がメインであり、
生鮮野菜の生産はほとんど行われていない。
ただし、ドバイ周辺の首長国も含め、数カ所で
施設栽培(養液栽培)を利用して、バラやきゅうり、
パプリカの生産が行われているが、ごくわずかである。~

なるほど、ドバイの農業の様子が少しは見えてくる。
オランダやイスラエルは先進的な植物工場のノウハウを
持っている。狭い国土や農地に不適な土地をカバーするには
植物工場の普及は必須である。
日本でも随分前から、植物工場のビジネスは進んではいるが、
現実、土地はたくさんある。
日本の場合、農業に携わる人がいない。
まずは、いかに労働力を確保するかが喫緊の課題である。
植物工場に日本の農業が頼った姿はあまり考えられない。
やはり、日本は露地栽培だと思う。
一方、日本には先進的なICTがある。
農業とICTというテーマには特に大手企業が
スマートアグリの実績を求めて、先行投資を行っている。
こういう企業の戦略を実現するためには東南アジアではなく、
日本の農業専門家とICTの専門家がタッグを組んで、
ドバイでスマートアグリに力を入れるのがひとつの手では
ないかと思う。

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